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コメンタリー運転のメリット・デメリット

コメンタリー運転とは?

コメンタリー運転とは声に出して安全確認を実行することです。電車の運転手さんが指差し確認をされているのでイメージは湧くと思います。ちなみに車の運転では指差しは不要です。

車の運転に効果的か?

私はメリットとデメリットがあると考えます。

メリット

・漫然と運転しなくなる
・同乗者の安心感につながる
ただ、レッスン時にずっと話し続けられますと、適切なタイミングでのアドバイスを伝え辛くなるデメリットも...

デメリット

・確認しているふりになっていないか?
・言葉と行動の乖離:働く脳の流域が異なるため行動が伴わないケースあり
・脳の言語野は運転中に必要なのか?
・言語化する時間と危険回避に求められる対処スピードに乖離がある

特に4つ目。言語化すると時間がかかります。例えば左折時に「後方よし」「左後方よし」「ウインカー3秒よし」「左寄せ完了」「左方・前方・右方よし」「巻き込み確認よし」「前方良し」など全てを言語化していたら時間が足りません。省略して全てに「よし」と言うだけでも大変です。
ちなみに白バイ隊員さんは、発進時などに「よし」とだけ言っていますね。

特に危険回避が必要なケースではコンマ数秒で判断し行動しなければなりません。すなわち、無意識下で即判断と反応できる能力を求められます。

初めのうちは言葉に出すことで安全確認を習慣化するのには有効だと思います。しかし慣れてきたら言葉を短縮するなど、より多くの状況を瞬時に判断できるようにトレーニングする必要があるでしょう。

運転をしてもあまり疲れない方がおられます。おそらく安全確認を疎かにしているのだと思います。道路の凹凸、傾斜、落下物(小石含む)、上空、左右、後方、同乗者の様子など上下左右360度に常に意識を向けていたら脳は疲れるはずです。
特に市街地や都心の道路は様々なものが目に入りますので疲れます。

慣れるに従い注意が必要なものと無視できるものがわかってきますが、それでも運転は疲れるはずです。疲れないのであれば、ご自身の運転を見直されてみると良いと思います。

話がされましたが、ジムカーナのようなモータースポーツでは言語化している余裕などありません。
ジムカーナはパイロンを並べてコースを作り、タイムアタックする競技です。
連続したコーナーでは、次のパイロンまでに考える時間はありません。走行前にイメージトレーニングを行い、その通りに運転します。もちろんイメージからズレることもありますので、その修正を瞬時にできるかが勝敗を左右します。
トップドライバーほど、イメージトレーニングによる走行時間と実際の走行時間の差が少ないです。
そのくらい正確にイメージできれば公道の運転もより安全だと思います(居眠りなど別の要因で事故る可能性はありますけど)。初心者の方は適当なライン取りで走行される傾向にあります。特に顕著にわかるのが車庫入れ時です。適当に枠に近づき、適当に始められます。走行ラインのイメージができていない証拠ですね!

また話がそれてしまいましたが、コメンタリー運転のメリットとデメリットを把握した上で安全運転に活かすのが良いと思います。